南米の空と海の間で、太陽の様に情熱的に生きる女の物語

この物語の主人公は奔放で、突き抜けていて、誇り高い女性マカレーナ。
物語の序盤はマカレーナの妹分、特にダニエリの行動や言動にハラハラしたり、応援したくなります。

勿論その気持ちはずっと最後まで残りますが、次第にマカレーナの生き様と人との関わり方、振る舞い方から目が離せなくなります。

マカレーナの生き方は……
口では半分は思っていないであろうことをあれこれと言います。
相手を気遣って、本心じゃないことを言ってる方が多いんじゃないだろうかと思うくらい。
でもその心には裏表が一切なくて、どこまでも素直な女性だと感じてしまいます。

また随所に現れる異なる雰囲気を纏ったシーンの対比が秀逸です。
例えば抗争と日常といった緊迫感の違いなど。
そういったコントラストの違いが終盤に向けて絶妙に絡まりあっていきます。

タイトルの『罪の女』とは一体何の罪だろうと読了後に改めて考えてみました。
確かに色んな罪を背負って生きているのかも知れません。
でも一番は、関わった全ての者(読者を含む)の心に、その存在を刻み付けるような孤高の生き様を見せつけたことでしょうか。

その他のおすすめレビュー

蒼翠琥珀さんの他のおすすめレビュー379