温度とか、湿度とか、明るさとか、風とか、光とか。静けさや賑やかさ、匂いまで。そういったものが伝わって来る作品にはなかなか出会えない。これを読めたのは運がいい。
【書籍化作品】 ・『いちいち癇に障るんですけどっ!』KADOKAWAビーズログ文庫 https://kakuyomu.jp/publication/entry…
絆という言葉があまりにも「縛る」というニュアンスが強すぎて苦手なのですが(あくまで、個人的に)、この物語はまさに、かつて強く結びついていたふたりの関係の、ゆっくりと後戻りしようもなくほどけていく様子…続きを読む
テクニックも構成も抜群、お若いのに一体なにを読んで育ったのかな、一晩ヒザを詰めて語りたいくらいです。この手の物語は、いきおい私小説風になりがちですが、適度な距離感が心地よく、わたしのような人生…続きを読む
ひとは矛盾のなかで呼吸をしている。《私》もあなたもわたしも。おとなになるということは矛盾を飲みこむことで、おとなになったというのは矛盾を味わえるようになることかもしれません。読んでいるとき、視線は…続きを読む
人物のバックストーリーが自然と頭に入ってくる描写に、衝撃を受けました。研ぎ澄まされた文章って言えばいいのでしょうか……レビューとしてお伝えできないのがもどかしい。これ以上は分析の上手な方々のレビュ…続きを読む
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