ファンタジーであり社会ドラマ

 時は近未来。前世の記憶を持つ臓器の存在と人類の転生が認められた社会が舞台です。前世は現世にも影響を及ぼし、人格の形成やときには異能の発現に繋がることも。主人公の神崎君には前世が無いはずなのに、その手には白い刀が握られていてーー。
 
……という感じですが、あらすじについてわたしが語るのは余りにも無粋ですね。作者様によるあらすじ欄をご覧ください。実際、わたしはあらすじを読んで完全にやられました。
 推しポイントを列挙します。

・描写が本当に丁寧なんです。本当に鮮やかで目に浮かびます。異能によるバトルシーンは手汗がダラダラ、事件現場では唾をごくり、上司に睨まれるシーンでは小さくなってしまいます。
・しっかりとした重みのあるストーリー。法や偏見の話も絡んでくるんですが、はっとさせられることも多いです。
・魅力あふれる仲間たち。組織の中の一員であっても、一人一人の個性が際立っています。また、一つ上と矛盾するように思われるかもしれませんが、仲間たちとの軽妙なやり取りにクスッとさせられるシーンも随所に散りばめられています。

 乱暴ですが、最後にひとこと。
「とりあえず、読め」

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