前世の記憶が当たり前にあり、それが異能となる世界。これは前世の記憶がないにも関わらず異能を持った少年の真実を探す物語。
遡臓という臓器の発見により、前世の記憶が当たり前になった近未来を舞台として物語は展開される。主人公である神崎慎吾は、高校卒業とともに前世の記憶を確認するも「該当なし」の結果に。彼は落胆するも、とある事件が切掛けとなり自身の異能が発現する。前世の記憶により発現する異能がなぜ彼にもあるのか、その謎を追うことになる。
ジャンルは現代ファンタジーですがSFやミステリー要素もあり、読めば読むほど引き込まれる作品となっております。異能バトルが好きな方は勿論、警察ものが好きな方も是非お読みください。
時は近未来。前世の記憶を持つ臓器の存在と人類の転生が認められた社会が舞台です。前世は現世にも影響を及ぼし、人格の形成やときには異能の発現に繋がることも。主人公の神崎君には前世が無いはずなのに、その手には白い刀が握られていてーー。
……という感じですが、あらすじについてわたしが語るのは余りにも無粋ですね。作者様によるあらすじ欄をご覧ください。実際、わたしはあらすじを読んで完全にやられました。
推しポイントを列挙します。
・描写が本当に丁寧なんです。本当に鮮やかで目に浮かびます。異能によるバトルシーンは手汗がダラダラ、事件現場では唾をごくり、上司に睨まれるシーンでは小さくなってしまいます。
・しっかりとした重みのあるストーリー。法や偏見の話も絡んでくるんですが、はっとさせられることも多いです。
・魅力あふれる仲間たち。組織の中の一員であっても、一人一人の個性が際立っています。また、一つ上と矛盾するように思われるかもしれませんが、仲間たちとの軽妙なやり取りにクスッとさせられるシーンも随所に散りばめられています。
乱暴ですが、最後にひとこと。
「とりあえず、読め」
前世の記憶を宿す内臓がある。前世の強い残留思念、トラウマによって超能力が発現する人もいる近未来という設定。
設定が非常にオリジナリティがあって素晴らしい。
呪術廻戦、サイコパス、神霊狩(士郎政宗オリジナル脚本アニメみんな観て)を彷彿とせるような読み味。
転生を前提とした社会のため能力主義が構造化、固定化されすぎている社会に超能力に悪の組織に主人公の謎の出自と盛り沢山。
ジャンルとしてはSFサスペンスアクション?
文章がめちゃくちゃ上手い。
読めばわかる文章のうまさ。
人物の描写が上手い上にモダン。
登場人物が結構多めなのにそれぞれキャラが立っていてかつアニメっぽいコミカルさもあるという。
それでいて前世をそれぞれ背負っているという深みまである。
素晴らしい。
設定のオリジナリティ。
言うまでもなく発明だと思う。
結論
いずれ見つかるべき傑作でありアニメ化漫画化までしうる強度のある作品でもある。
その一助となればと思いレビューを書きました。
応援しております。
最新話まで読んでからレビューを…と思いましたが、あまりの完成度の高さに驚きその感動をすぐ伝えたいので先にレビューを書きます。
遡臓という、前世の記憶を留めておくための臓器。前世の記憶がなかった、主人公の神崎くん。
もう、この2つだけでストーリーがぶわっと膨らみます。遡臓とはなにか、というのもサラッと説明しているので変にくどくありません。
前世の記憶を映像化しても、真っ白なまま。そんな謎を残して、物語はすすみます。
全体的に文章がまとまっているため、「あれ、この設定なに?」が読んでいてありません。登場人物の会話からもそういう設定に関するヒントが散りばめられていて、説明文ではないのでスッと頭に入ってくるのかなと読んでいて感じました。
今後、どのように神崎くんの日常が変化していくのか。楽しみに続きを読ませていただきます!そして、悠一くんのキャラいいですね(笑)