追い出し太鼓が鳴って

昭和七年九月二五日付 東京日日新聞、地域欄の片隅


今日、早朝××寺院の墓地で男性の遺體が發見された。所持品から、落語家の吉珀亭無明(本名、磐前寛涛。深川區石島×丁目×番)さんであるとみられ、警察では現在死因と事件性を調べてゐる。

無明さんは一昨年二一歳で眞打と成り、怪談噺を得意とする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る