第15話
サヨウナラ、とキミは言った
夕日が完全に沈むまで
その意味を必死に考えた
キミの手を握りながら
回らない頭でたどりついた結論
そう、その日が来たんだ
いつか誰かの臓器移植のため
部品として生かされた僕とキミ
捨てられた僕たちの生きる術は
きっとそれだけしかなくて
でも僕たちは生きる意味を知った
二人で掴んだお互いの手を
もう僕は離すことなんてできない
サヨウナラ、とキミは言った
でもそれには頷けない
この手は離すためではなく
別れのために手を振るためでなく
ただキミと繋がるためにあるのだから
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