第14話

「運命」は突然やってきた

呼び出された冷えた部屋

コンクリートの壁

カレンダーにつけられたマル印が

その日であると告げられた


その日私の部品は

意味ある誰かの一部となる


きっとどこかでもう受け入れていたのだろう

呆然として、でも不思議と涙は出なくて

ただキミに会いたくて


そして最後に夕陽が見たいと思った

キミが指輪をくれたあの場所で

沈む夕陽と一緒ならキレイにさよならを告げられる

そんな気がしたから


見知らぬ誰かに授けられた運命に

逆らう勇気はどうしても得られなかったから

せめて最後の思い出をと

願う私の弱さを許して


ただひとつ

キミの目が濁ることのないようにと

心の中でささやかな祈りを捧げた

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