第12話

今日も朝日がキレイだと

冷えきった心で思う

柔らかなオレンジの朝焼け

薄く広がる白い雲


キミは私を天使のように扱うけれど

こんなに感情のない天使も珍しいだろう

私の心のツンドラは

この朝日にも溶けやしない


今日が、今が、この一瞬が。


明日の私たちに繋がらないのなら

もう感情なんて必要ない

怒りも哀しみも随分前に忘れてしまったから

私の心は空っぽのままだ


それでも日は上る

一日また一日と時は流れる

どんどん心は冷えていき

決断の時は近づいて


そして私は様々な思いにフタをする


キミが起き出す音がする

温かなホットミルクを作らなければ


キッチンへと足を進める

やっぱり今日も朝日がキレイだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る