”鬼”と”人間”という相容れない存在——

 あらすじにもある通り、鬼と人間というのは基本的に敵対関係として今まで書かれてきました。『人喰い鬼』、『鬼退治』という言葉がある通り、お互いがお互いを殺し合うような関係性です。

 しかしこの作品。鬼×人間が書かれています。それも、昔の日本(応仁の乱後)を舞台にしているために、妙なリアル感・スリルを味わいながら読み進めることができるのです。本当に目の前に鬼がいるかのような描写がされ、まるで一つのドラマを見ているような気分です。

 また、鬼という残酷なイメージがあるキャラクターの中にも、どこかほのぼのした感じがあり、どこか圧を感じるような印象を跳ね返してしまうような柔らかさが存在しています。

 異類×人間が好きな方、ぜひ読んでみてください。

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