四畳半の部屋に蠢いていたモノ

 私は前書きとか登場人物紹介とか設定資料集とか、本編でないものはあまり読まない口なのですが、今回は読んでよかったと心から感じました。文章の一つ一つに意味があり、「不気味さを醸し出すためかな?」と思った一文でさえ、「そういうことだったのか!」と鮮やかに回収されます。

 ホラーだけでなく、ある意味ミステリー的な推理も可能なこの作品。
 でもそうはさせてくれないぞわぞわするような語り口。

 ホラーとしても短編小説としても完成されている、とても恐ろしい作品です。