最初におや、と思わされたのは、その語り口です。
体験談形式にのっとり、現代小説らしくない、話し言葉の綴り方。
これが古典的な怪奇小説や、怪談話なんかによく似ていて、
だから読んでいるうちに段々と続きが気になっていきました。
感情のスイッチ。消えた霊感。繋がるチャンネル。ろくでもない肉親。
あらかじめ語られたことが、あらかじめ語られたように示されます。
期待したように、しかしその期待を裏切るように。
オチには思わずこの作品は面白い、と確信して笑い、
気が付けばレビューに手を付けていました。
是非、騙されたと思って最後まで読んでみてください