第10話 友達ができた!
......ヤベえ。もうすぐ放課後なのに、誰とも喋れてねえ。このままじゃ、悲しい高校生活を送ることになっちまう!嫌だー!
「ねえ君、本好きなの?」
お?これは俺か?俺に話しかけてるのか?よし、見た感じこっちを向いて話してる
。
俺だな?俺に話しかけてるんだな?
「うん、そうだよ」
「ああ、やっぱり。私も本が好きなんだ」
「どうして俺が本が好きだってわかったんだ?」
「え?だって君、休み時間になるたびに本読んでたじゃん。他のみんなは一生懸命友達つくってたのに。だから本がとっても好きなんだなって」
「あれ?そんなに本読んでたっけ?」
「うん。ずっと真顔で本読んでたから、ちょっと近づきづらかった」
「まじかー」
「私は谷口楓。君は?」
「俺は清水晴斗。」
「君はなんの本が好きなの?」
「俺は『夏』が好きかな」
「え?本当?私もその本が一番好き」
「まじで?一番好きなシーンは?」
「私は、やっぱりラストシーンかな」
「やっぱり?だよなー」
「うん!特にヒロインが車にはねられそうになってるところを主人公が助けて、主人公が記憶喪失になっちゃうところが、____________________」
......これが友達っていうのかな。あ、もちろん今までも友達はいたんだ。けど、本について語り合える友達はいなかった。だからいま、とても楽しい。
「そうだ、晴斗くん。レイン交換しない?」
「うん。いいよ。」
......ん?今なんて?ラインがどうのこうの言ってた気がするが。
「じゃあレインのQRコード出して。私が読み取るから。」
「え?うん」
聞き間違いじゃなかった......だと!?
「どうかした?」
「いや、なんでもない。これ、QRコード。」
俺がQRコードを出すと、楓はQRコードに女の子らしいライトグリーン色のスマホをかざした
「はい、もういいよ。ありがと。多分友達申請のところに私の名前があるから、友達登録しておいて」
「わかった」
楓の言ったとおり友達申請のところに、【谷口楓】という名前がかいてあった。
俺は地味に初めての女の娘のレインじゃね?と思いながら友達登録ボタンを押した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます