いろいろあって美少女と同居することになりました
だるま
第1話 プロローグ
出会いと別れの季節、春。俺はあの思い出を、忘れることはないだろう。
__________________________________________________________________
あの春、俺は中学校を卒業した。皆泣いていたけれど、俺は泣く気になれ
なかった。
昨日家族が皆死んだ。火事だった。
俺だけは、遊びに行っていたので、死ななかった。最後に聞いた言葉は、「いってらっしゃい」だった。ちゃんとした別れも言えなかった。
こんなに簡単に人が死んでいいのか。なぜ俺だけ死ななかったんだ。どうして.....。もう・・・・死のう。
俺には何も残っていない。もう、何も。何もかも失った。
もう、死のう。
.........死ねなかった。橋から、飛び降りて死のうと思ったけれど、
いざ飛び降りようとすると、脚が震えて飛び降りれなかった。
弱いから、勇気がないから自殺するんだと、誰かが言っていたが、それは違う。強いから、自殺する勇気があるから自殺できるんだ。
俺は、死ねなかった。死にたいと思っても、身体が拒絶する。
・・・・・・・・いや、本当はわかってるんだ。死にたいなんて、思っていないんだってこと。
できることなら、小説家になりたかった。皆が笑顔になるような、小説を書きたかった。でも、もう死ぬしかないんだ。何もないんだから。
心が言った。「本当に、それでいいの?」と。いいんだ。もう何もないんだから。
覚悟を決めた。
「何してるの?」
そこには、思わず見蕩れてしまうほど、きれいな女の子がいた。それこそ、自殺なんて馬鹿なことやめようって思うぐらいの。
それが、君と出会った最初の日だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます