いろいろあって美少女と同居することになりました

だるま

第1話 プロローグ


出会いと別れの季節、春。俺はあの思い出を、忘れることはないだろう。


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あの春、俺は中学校を卒業した。皆泣いていたけれど、俺は泣く気になれ

なかった。


昨日家族が皆死んだ。火事だった。


俺だけは、遊びに行っていたので、死ななかった。最後に聞いた言葉は、「いってらっしゃい」だった。ちゃんとした別れも言えなかった。


こんなに簡単に人が死んでいいのか。なぜ俺だけ死ななかったんだ。どうして.....。もう・・・・死のう。


俺には何も残っていない。もう、何も。何もかも失った。


もう、死のう。

.........死ねなかった。橋から、飛び降りて死のうと思ったけれど、

いざ飛び降りようとすると、脚が震えて飛び降りれなかった。


弱いから、勇気がないから自殺するんだと、誰かが言っていたが、それは違う。強いから、自殺する勇気があるから自殺できるんだ。


俺は、死ねなかった。死にたいと思っても、身体が拒絶する。

・・・・・・・・いや、本当はわかってるんだ。死にたいなんて、思っていないんだってこと。

できることなら、小説家になりたかった。皆が笑顔になるような、小説を書きたかった。でも、もう死ぬしかないんだ。何もないんだから。


心が言った。「本当に、それでいいの?」と。いいんだ。もう何もないんだから。

覚悟を決めた。


「何してるの?」

そこには、思わず見蕩れてしまうほど、きれいな女の子がいた。それこそ、自殺なんて馬鹿なことやめようって思うぐらいの。


それが、君と出会った最初の日だった。

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