第8話 なんか......気まずい
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
・・・・やべえよ。なんか気まずいよ。さっきまでめっちゃいい感じの空気でてたじゃん。
どうしちゃったんだよ。
さっきまでの空気返せよぉぉぉぉぉ!
頼む!今だけでいい!マジでさっきまで空気返してくれよぉぉぉぉぉ!
ついでに俺を勉強出来てイケメンなハイスペックスな男にしてくれ!頼む!
・・・・・・わかった、1000円出そう!1000円で俺をハイスペックにしてくれ!
・・・・・誰も返事をしてくれねえ。悲しいぜ。
・・・・あれ?俺今何しようとしてたんだっけ?
・・・・・そうだ!この気まずい空気を変えようとしてたんだ!
どうしよう。何も思いつかん。
・・・・・落ち着けこんなこともあろうかと「ミジンコでもわかる!気まずい空気を和ませる方法ベスト100」という本を読んだばかりじゃないか。
おもいだせ。あの本に何が書いてあったかを。
・・・・・・確か面白い話じゃなくてもいいから会話をすることがいいとかかいてあった気がする。よし!喋るぞ!あと3秒後に喋るぞ!
・・・3・・2・・・2・・・2・・・・2・・・2・・・2・・・1・・・3・・・2・・・2・・なんか2が多いな。今度こそ3秒後に喋るぞ!3・・・2・・・・1・・・よし!
「ねえ、雪はさ、どういうジャンルの本が好き?」
「・・・んー。私は恋愛ものが一番好きかな」
「マジで!おれも結構恋愛もの好きなんだ。ちなみになんの作品が好き?」
「・・・・あの日君と見た星空・・かな。」
「・・・あー。あれ面白いよね」
「晴斗もそう思う!?わたし大好きなんだー。特に最後のシーンが」
おお、雪がめっちゃ食い気味だ!話しかけてよかった!なんかめちゃくちゃ可愛い!いつもより目がキラキラしててマジで可愛い!写真に撮りたい!マジで切実に雪の写真集でないかなー。出たら絶対買う。2冊ぐらい買う。
・・・・・・あっ!でもそれだと全国の男どもにも雪の可愛さをさらしてしまうことになってしまう!それはなんかいやだ!・・・・・・写真集はあきらめよう。
ふっ、ふっ、ふっ。雪のこの笑顔をみられるのはおれだけだ!他の男どもよ、ざまあみろ!・・・・いかん、顔が自然ににやけてしまう。このままじゃ雪に俺は気持ち悪い奴だと思われてしまう!
それはつらい!頑張ってお金を貯めてやっと買った商品が別の店で半額以下の値段で売ってたときぐらい辛い!
何か!何か策はないか。・・・・確か唇を嚙むとよかったんじゃなかったけ?一度やってみよう。
・・・・よかった!たぶん治った!・・・・もうにやけてないと思う。・・・・やったよ!
俺、やったよ!雪に気持ち悪いって思われずにすんだ!よかった!よし、このまま自然に!自然に会話するんだ!・・・・・・
「わかる。マジで最後ヒロインが死んだところなんてマジで泣いた」
「私も!ホントにあんな作品どうやってかいてるのかな?」
「ほんとにあれ書いた作者さんってすごいよな」
「すごいよね」
「あっ。もう家に着いちゃった。また後で話そう」
「うん。そうだね。じゃ、また後で」
おお、よかった!会話してる間に家につけた!気まずい空気に戻る前に帰ってこれてよかった!神様、ありがとうございます。今度300円あげます。ほんとにありがとう!大好き!これからもよろしく!
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あー。やっぱり自分の部屋が一番落ち着くわ。やっぱ家が一番だなー。
学校行きたくないなあ。
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