第12話 ゲームセンター

やっとゲーセンだ。やっとゲーセンで遊べる。


待ちに待ったゲーセンだ。嬉しい。

どれぐらい嬉しいかっていうと、宝くじで1等が3回連続で出たときぐらい嬉しい。

一回も当たったことないけど。


いつもは一人だが、今日はひとりじゃない。今日は楓と一緒だ。は、は、は。ざまあみろ。友達がいるっていいね。


別に友達がいなかったわけではないけど、そんなに中のいい友達はいなかった。楓といる時間は、本当に楽しい。いかん。顔がにやけてきた。


「フフッ」

楓が堪えきれないといった様子で笑った。

「どうしたの?楓」


「いや、ごめん。晴斗がなんだかとても変な顔してたから......つい」

まさか......にやけてるのがバレた......のか!?

「そんな顔してたかなぁ」


「うん。......なんか辛いことがあるんだったら言ってよ?」


「ありがとう。......けど、なんにも悩んでないよ」


「そう?それなら良かった」

楓は本当に安心したような顔をした。


よかった。バレたわけではなさそうだ。


「じゃあ、気を取り直してあの車のゲームをしよう」

「うん。そうだね」



おかしい。さっきからすべてのゲームで負けている......得意なゲームばかりだったのに......なぜだ?結構やり込んでるはずだぞ!?

さてはこやつ......天才か!?かっけえ!


「どうやったらそんなに上手くできるの?」

「え?んー。なんとなく......かな?」

こやつ......本物の天才だ!


「教えてあげようか?」

「うん。教えて」


これからは楓のことを師匠と呼ぼう。


俺はその日、楓から、ゲームのノウハウをとことん教わった。こんなことを教わらずにする楓は、本当にすごいと思う。また、一緒にゲームしたいなあ。


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