概要
この名を心に留めておいてほしい。
古豪と呼ばれる高校野球部の、マネージャーのノート。不器用で暑苦しい無名の球児と、才能あふれるスター選手と、彼らを見守るマネージャーの記録。
2020夏の甲子園が開催されることを切に願って。
2020夏の甲子園が開催されることを切に願って。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!短編小説が持つ、可能性
天才と天才とが、出逢い惹き合い昇華していく物語。
題材そのものは、決して目新しいものではない。しかし、それでもこの作品が読者らの心を揺さぶり続けているのは、その洗練された語句にあろう。刀を打つ名匠が、微妙な炎の色を見極めるようにして、語を撰ぶ。彫刻家が、木に宿る女神を抱き上げるようにして、一切の無駄を削いでいく。
四千文字弱。必要にして充分な、粋。
故に、読者はその行間に息吹を感じることができる。生き生きとした登場人物たちの姿を肌に感じ得るのだ。
『短編』という物語形式が持つ力を、この作品は教えてくれたように思う。
紛れもない傑作です。文字って凄いなあと、改めて思っちゃうくらいの傑作な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!すべての高校野球ファンに捧げる青春讃歌
夏が来た! 球児たちの熱い夏が。
全国高等学校野球選手権大会、所謂「夏の甲子園」への出場を懸けて、六月の下旬から地方予選が始まる。
そこには、連覇を目指す強豪、復活を期する古豪、牙を研ぐ新鋭らが集う。
郷土の期待を担い、母校の誇りを胸に高校球児たちの闘志が激突するのだ。
これは、女子マネージャーの視点で描かれた、ある古豪野球部のひと夏の戦歴である。
不器用で暑苦しいと言われる部員、渋沢巧(しぶさわ たくみ)。
最後の夏、ベンチ入りメンバーとして受け取った背番号は、おそらく20番だろう。
監督のあからさまな態度が彼に対する期待の薄さを示していた。
ただ、渋沢巧はひたむきに練習に励んだ。
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