概要
私は剣として生まれた。剣として育まれた。――けれど、
長年隣国と争い続けているフロル王国には、英雄と称えられる姫君がいた。圧倒的なまでの戦果をもって、劣勢にあった戦況を支える〈三ノ剣姫〉第三王女フラネーヴェ。弱冠十八歳の英雄はドレスにも宝石にも、色恋沙汰にも興味がない。しかし、ある戦を終えて父王に褒美の希望を尋ねられた折り、剣姫は言った。
「父上、アヴェラン・シューヴァをください」
あろうことか、彼女が求めたのは自らが降した敵国の軍人――しかも、己の倍も歳を取った男だった。
これは剣として生まれ、剣として生きた少女のささやかな恋の物語……の、はずである。おそらく。
【小説家になろうと同時掲載】
「父上、アヴェラン・シューヴァをください」
あろうことか、彼女が求めたのは自らが降した敵国の軍人――しかも、己の倍も歳を取った男だった。
これは剣として生まれ、剣として生きた少女のささやかな恋の物語……の、はずである。おそらく。
【小説家になろうと同時掲載】
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!なんとも潔く、美しい恋物語
剣を交えたことでうまれる、二人の戦士としての感情。
ただ剣として生きてきた姫が感じる、自分でも説明のつかない想いは、やがて国を動かす大きな決断へと展開していく。
これはただの甘い歳の差恋愛ものではなく、それでも、まぎれもなく美しく潔い剣士たちの恋の物語だ。
序の説明がやや硬いがゆえに入口で躊躇してしまいそうだが、第一話からは、交わるとは思えないふたりの感情が、この先どう行きつくのかとぐいぐい引き込まれる。周囲を固める登場人物たちも魅力的なので、ぜひ先まで読んで欲しい。
命がけの恋の、ただ甘いだけではないキリリとした結末に、晴れ晴れとした気持ちにさせられる。硬派でカッコいい、剣と恋の物語だ。