無機物が生きている様な表現
【太陽から向けられる熱視線は情熱的すぎて…】
【太陽が秋のすまし顔に変わるまえに】
オーバーな表現
【身体中の水分を奪われて、カラッカラのミイラになってしまいそうだ】
【これを自由といわないでなにを自由という】
主人公の思考順序、思考のスピード、思考のセルフ修正の表現。一人称視点作品の醍醐味の一つの様な気がします。これにより思考のリアリティさと文面のユニークさが生まれてると思います。また端的に書くよりも文が長くなる事で読むスピードが遅くなります。これにより、読むスピード=読者の理解スピード、という理想的な配分が出来上がって、結果とても読みやすい文になっていると思います。
【きっかけは猫だった。正確には、逃げた猫を探していた子どもだった】
【泣きそう――というか、ほとんど泣きながら誰かの名前を呼ぶ男の子に出くわした】
【最初は迷子かと思ったのだけど、よくよく話を聞いてみれば迷子になったのはペットの猫だという】
【 徒労といえば徒労におわったわけだが、これは徒労でよかった案件だろう。男の子にも笑顔が戻ってめでたしめでたしである】
【めずらしくもない、ほんの数時間まえまで降っていた雨が道にたまっただけ。それだけだ。それだけなのに、どうしてだろう】
アイテムを出す事でリアリティが出てます。
【男の子のキッズスマホに親から連絡がはいって一件落着となった】
いろんな表現の引き出しがあってとにかく素敵です!勉強させて頂きました!
周囲に流されることなく、自分の考え方を持ち続けていたいという主人公の“ぼく”。
ぼくの会社は夏を前に倒産の憂き目をみますが、ぼくにとってはむしろ降って湧いた夏休みの到来です。
ふとしたきっかけで路地に入り、そこで見た光景に、『いつのまにかぼくにこびりついていたなにか』が『パラぽろとはがれ落ちていった』ような気になります。
そこで見た光景は、ぼく曰く、
――七色に輝く、魔法の泉――
そこから、ぼくの小さな冒険の日々が始まります。
ときに変質者に間違われもしましたが、お姫様にも出逢い、それは新たな世界を切り拓くチカラとなっていきます。
異世界転移の物語ではありません。
【七色に輝く魔法の泉】は、別のカタチを取るかもしれませんが、あなたの近くに現れるかもしれません。
――自分を変える冒険の扉は身近にあるのかもしれない――
そんな風に考えさせてくれる素敵な物語です☆
キラキラキラキラ〜✨