いつもの街の見知らぬ路地で

作者 野々ちえ

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★★★ Excellent!!!

無機物が生きている様な表現

【太陽から向けられる熱視線は情熱的すぎて…】

【太陽が秋のすまし顔に変わるまえに】

オーバーな表現

【身体中の水分を奪われて、カラッカラのミイラになってしまいそうだ】

【これを自由といわないでなにを自由という】

主人公の思考順序、思考のスピード、思考のセルフ修正の表現。一人称視点作品の醍醐味の一つの様な気がします。これにより思考のリアリティさと文面のユニークさが生まれてると思います。また端的に書くよりも文が長くなる事で読むスピードが遅くなります。これにより、読むスピード=読者の理解スピード、という理想的な配分が出来上がって、結果とても読みやすい文になっていると思います。

【きっかけは猫だった。正確には、逃げた猫を探していた子どもだった】

【泣きそう――というか、ほとんど泣きながら誰かの名前を呼ぶ男の子に出くわした】

【最初は迷子かと思ったのだけど、よくよく話を聞いてみれば迷子になったのはペットの猫だという】

【 徒労といえば徒労におわったわけだが、これは徒労でよかった案件だろう。男の子にも笑顔が戻ってめでたしめでたしである】

【めずらしくもない、ほんの数時間まえまで降っていた雨が道にたまっただけ。それだけだ。それだけなのに、どうしてだろう】

アイテムを出す事でリアリティが出てます。

【男の子のキッズスマホに親から連絡がはいって一件落着となった】

いろんな表現の引き出しがあってとにかく素敵です!勉強させて頂きました!

★★★ Excellent!!!

 子どもの頃から空気というのが苦手で周りとの歩調を合わせられないでいた主人公。
 自分が水溜まりを眼にしたら、やっぱりただの水溜まりにしか見えないだろうと思う。もしかしたらばっちい泥水とすら……それだけ社会に揉まれて疲れて馴染んでしまったのだろう(溜め息)。
 他者と異なる事が出来る言える考えられるというのは個性であって欠点ではない。主人公もそんな気質があったのではないか。だからこそ職を失い、身軽に――空っぽになったことで魔法の泉を感じられたのではないかと思う。

★★★ Excellent!!!

ウィルス騒動の社会でまわりになじめない主人公。
あおりを食って勤める会社が倒産。
社会があります。
失業中に散歩をはじめます。
ちいさくかわいいエピソード。
女性と知り合い。
恋愛がはじまりそう。

野々ちえさんらしさがあり
いままでとちがう野々ちえさんもいて
珍しい雰囲気に仕上がっていますよ。

★★★ Excellent!!!

 周囲に流されることなく、自分の考え方を持ち続けていたいという主人公の“ぼく”。
 ぼくの会社は夏を前に倒産の憂き目をみますが、ぼくにとってはむしろ降って湧いた夏休みの到来です。
 ふとしたきっかけで路地に入り、そこで見た光景に、『いつのまにかぼくにこびりついていたなにか』が『パラぽろとはがれ落ちていった』ような気になります。
 そこで見た光景は、ぼく曰く、

 ――七色に輝く、魔法の泉――

 そこから、ぼくの小さな冒険の日々が始まります。
 ときに変質者に間違われもしましたが、お姫様にも出逢い、それは新たな世界を切り拓くチカラとなっていきます。

 異世界転移の物語ではありません。
 【七色に輝く魔法の泉】は、別のカタチを取るかもしれませんが、あなたの近くに現れるかもしれません。

 ――自分を変える冒険の扉は身近にあるのかもしれない――

 そんな風に考えさせてくれる素敵な物語です☆
 キラキラキラキラ〜✨

★★★ Excellent!!!

見知らぬ道を歩いてみる事の楽しさを発見する主人公のお話。
冒険って意外と身近にあるものかもしれないなって、この作品を読んで感じました。

主人公が作中で出会う、すべての事が愛おしい気持ちになります。
読後感がとっても爽やか!

きっとアナタも散歩に出かけてみたくなる。そんな作品です。

★★★ Excellent!!!

なんだかとっても共感してしまうお話でした。

日常の中に、いくらでも発見だったり、笑顔になるものがある。

息が詰まった時、もしくはポカンと1日がまっさらになってしまったような時、ふと歩いてみると、また何かが見えてくるもの。

出会いとか、きっかけとか、掴めるかもしれない。

主人公が、すぅーっと入ってくる。彼の歩く風景が見えます。
希望をくれるお話です。

★★★ Excellent!!!

世間を悩ませるウイルスの拡大をきっかけに、職を失うという憂き目を見た主人公。
けれど、一見不運に見えるそんなきっかけから、彼はそのまま平穏な日々を過ごしていたら出会えなかった様々な「輝き」に気づきます。
周囲に合わせるだけじゃなく、時にはいつもと違うことに足を踏み入れてみる。横道に入り込んでみる。実はそれはとても価値のあることなのではないかと、改めて考えさせられます。
この息詰まるような日々に、すっと肩の力を抜いて呼吸することを思い出させてくれる、爽やかな物語です。