概要
救世主なんてまやかしだった。それは単なるスケープゴートに過ぎない
アシェラルの民。それは背に翼持つ一族。
二万年の昔、一人の少年が神に空を願って、その願いが聞き届けられて翼を得たのが一族の起源とされている。
彼らは謎めいていて、一般の人間の前にはほとんどその姿を現さない。
しかし人は彼らを見つけると、その背の翼欲しさに迫害するという。ゆえに彼らは人間と関わらない。
彼らの住まう村もずっと、秘匿され続けてきた。
「錯綜の幻花」と呼ばれる英雄がいた。彼は「実体のある幻影」を生まれながらにして操る力を持っていた。彼はアシェラルの民であり英雄だった。しかし、彼の過去にはどうしても消せない傷があった。
彼は今でもその時のことを鮮明に思い出せるのだ。深い深い悔恨の念と共に。彼は図らずも、一人の人間をこれ以上ないほどに破滅させた。下らぬ無知と偽善によって