概要
お客さまは一茶・北斎・牧之!
江戸末期の文化5年(1808)。浅草・伝法院通りに中堅どころの店を構える書物屋・信濃屋は「だれかを傷つける意図で出版された邪な本、志の低い本は絶対に扱わない。それが商人の矜持ってえもんさ」と宣言する女主人・お了(52歳)の気風を慕う江戸文化人たちのサロンと化していた。
集まってくるクリエイターの中から、同郷の俳人・小林一茶(46歳)、生粋の江戸っ子の浮世絵師・葛飾北斎(49歳)、入魂の労作を携えて越後から上京した縮問屋店主・鈴木牧之(39歳)らに焦点を当て、同時代を交錯する人生模様の一端を切り取る。
集まってくるクリエイターの中から、同郷の俳人・小林一茶(46歳)、生粋の江戸っ子の浮世絵師・葛飾北斎(49歳)、入魂の労作を携えて越後から上京した縮問屋店主・鈴木牧之(39歳)らに焦点を当て、同時代を交錯する人生模様の一端を切り取る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!お了さんに語る一茶の身の上話、いよいよ佳境に!
お了さん相手に我が身の上を語るその語り口が、なんとも小気味よく一気に読んでしまった。
一茶が俳諧の道に入るきっかけも初めて知り、納得がいった。
人を引き付けるメロディさえ感じられる文章の運びは、上月氏ならではと唸るばかり。
上月氏とともに一茶をも応援しながら、この先を期待したい。
俳諧師として名を挙げようと様々な俳人と係わり合いつつ一茶の揺れ動く心模様を心憎い筆致で抉り出していく上月氏の語りに引き込まれてゆく。
15年ぶりに故郷柏原に帰った一茶を迎えたのは、継母への気兼ねから本心を言えぬ父、幼いころ受けた辛い仕打ちをそのまま思い出させる継母の振る舞い。
肉親の愛に飢えた一茶の孤独が切な…続きを読む