お菓子の前では皆すなおになるのです。人も、ひょっとしたらそれ以外も

ごく普通の会社員の「私」がある日、とある菓子店に迷い込みます。
少し不思議な菓子店の名は「まれぼし菓子店」。
そこでは3人の店員さんたちが「私」を出迎えてくれるのです。

甘いもの、いいですよね。このお話はとにかく甘いものが1話ごとに出迎えてくれる掌編集、といった趣のお話です。

掌編集と言いましたが、現時点で70話越え。つまりは70品のお菓子が出迎えてくれるのです。天国か。

個々のお話は、小さなエピソードです。のんびりしていて、それほど劇的な事は起きない「私」の身の回りのお話(本人的にはそうでない事もありますが)。

それでも小さなエピソードは季節ごとに積み重なり、ゆっくり、のんびり、だんだんと移り変わっていくのです。その変化がまた、楽しいお話でもあるのです。

時には、おやっ?と思う、ちょっと不思議な出来事が起きたりしながら。

甘いものが好きな方、のんびりしたお話が好きな方、季節ごとのお菓子の彩を楽しみたい方、そして、ちょっと不思議な味付けが好きな方。ぜひぜひ、ご賞味あれ。ゆっくり、じっくり1話1話を味わえる、そんな素敵なお話なのです。



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