没入

 『ヤクザ映画を見たあとは肩を怒らせて歩くようになるとよく言われるが、まさにそんな気分だった』……『コブラ(寺沢武一、集英社、敬称略)』に、そんな主旨の言葉があった。細部の違いはご容赦願いたい。
 その伝でいくと、読んだあと思わず拳を構えてしまいたくなる物語だ。
 試合の経過や技の描写一つ一つが、ほとばしらんばかりの熱気に溢れている。簡にして要を得るとはこのことだろう。
 そして、物語を貫くもう一つの主軸。こちらは敢えて詳細を割愛する。是非とも直接読んで実感して欲しい。
 必読本作。 

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