分からないから、人生は楽しい。

"雨のトイレ"、このフレーズだけで様々な想像が広がってくる。

あらすじに書かれているようにそれなりに過激な描写はあるものの、そこだけ変に浮いているわけでなく、話の中で自然と読みとおすことができた。

短編なので詳細は伏せておくが、 物語終盤の「分からないままのこともあった方が人生楽しい」という真中の台詞が妙に力強く感じられる。

人間は正しさや真実を求めて日々過ごしがちだが、無理に答えを探さなくても良いのではないか。自分が純粋に楽しいとか嬉しいとか感じられるならば、それだけで充分ではないか。たとえ、それが世間一般にみてマイノリティーな選択であったとしても。本作を読んで、思わずそんなことを考えてしまった。