痛快ピカレスクロマン!

 これに尽きます。痺れるしかない。

 メイド長である「私」が出会った三人のとんでもない「悪党」――ずば抜けた知性で卑劣な策を編み出すミソノ、人間離れした筋肉ですべてを捻り潰すウシオ、いくつもの顔を演じ違和感なく人々を駒にしていくレンタロウ。ここではないどこかから来たらしい三人組は、人道からおおよそ外れたえげつない方法で国をかき乱していきます。
 知恵と筋肉と煽動力がタッグを組んだらこんな恐ろしいことになってしまう! と無敵さに戦慄しながらも、悪が悪を妥当していく痛快さがクセになります。冒頭のシーンを思えばこの三悪党がこれからとんでもないところまで至ろうとしているのがわかりますが、たった三人が、しかも悪人と言えそうな倫理から外れた三人が、目を剥くような方法で世界を手玉にとっていく未来に、不謹慎かもしれませんがワクワクしてしまいます。

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