大樹に立ち、青空を天に。

作者 ななくさつゆり

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★★★ Excellent!!!

 他の方がレビューコメントで述べていらっしゃるが、本作は自分が体験したり見聞したりしたなにかになぞらえずにはいられない力を備えている。
 私については『ザ・ラスト・オブ・アス(ノーティドッグ)』の終盤だった。
 二十年前に世界中を破滅させた奇病(ただし人間しか発病しない)のせいで廃墟となった都市を進む内、野生化したキリンの群れをビルの屋上から眺める場面がある。
 無論、両者は一切無関係ではある。しかし、美しさを取り戻した自然が文明の名残りを容赦なく制圧していくあの姿を思い出してしまった。
 必読本作。

★★★ Excellent!!!

タイトルはスウェーデンの歌手、lalehの歌よりいただいた。意味はペルシア語で「世界の片隅で」。
この曲には世界の片隅に残された2人の物語が描かれている。主人公は帰る家を求め、最後は家が相方の隣だと気づくのだが、この物語の主人公は最初から1人で、しかもお別れ済みだ。
しかしながら情景の美しさに、脳が読んでいた言葉のひとつひとつが反応していく。
「君を迎えにいくよ」この手紙を受け取った主人公は既に1人で立ち、自分の脚で前へ進んでいるのだ。私は思った。「相方との愛に破れて、愛が無くても進めるようになったのでは」と。
そんな勝手な妄想をしながらも、彼女が今後1人だけの世界で生きていくのか考えるとどこか怖くもある。
人は1人だけど、誰かがいないと生きていけない。支え合って生きている。搾取して生きている。
私は勝手に世界をそう考えているのだ。
本当の1人になったとき、人はどうするだろう?
そう考えさせられる物語でした。

★★★ Excellent!!!

何故か世界に『ひとり』になってしまった主人公の視点から描かれる物語。
独特な世界観、切ない心理描写にはグッと引き込まれるものがありました。
読んでいると、心が空っぽになるような空虚な感覚に襲われます。
ふと切ない気分に浸りたい貴方へおすすめの一作。
皆様是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

自分以外の全てがいなくなってしまった世界。そんな中で在りし日に思いを巡らす。しかし……。

人の思いというものは、どこまでその形を保てるものなのだろうか?どこかで失われたりすることはないのだろうか?


美しく流れる物語の中で、巡らす思いもまた儚いものなのかも知れません。