最高法規

 かつて尊続殺重罰規定なる法律が実在した。簡単にいえば、自分の親や祖父母を殺害した際通常の殺人事件より重く罰せられるという内容である。
 現在は完全に撤廃されたこの規定、見直しのきっかけとなったのはある女性が実父に起こした殺人事件であった。
 彼女は実父から性的虐待を受け続け、親娘で子供まで出産させられていた。その彼女に恋人ができ、激怒した実父は彼女を更に虐待した為、追い詰められた彼女は殺害のやむなきに至った。
 これはフィクションではない。れっきとした実話である。繰り返す、れっきとした実話である。
 さて、本作では主人公の境遇が大きな関心を引き寄せる。具体的な成り行きや結末は、実際に読んで頂くのが早いだろう。
 必読本作。 

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