カフェオレと君と私

作者 きつねのなにか

混ぜ合わせる前に一つ、コーヒーの話をしようか

  • ★★★ Excellent!!!

コーヒーには様々な淹れ方がある。
ペーパードリップ、ステンレスドリップ、フレンチプレス、サイフォン……。

弾き方にも種類がある。
細挽ききなのか粗挽きなのか。

焙煎にも度合いがある。
浅煎り、深煎り。

豆にも種類がある。
どこの国のどこの山で取れたのか。

では、どれが一番美味しい淹れ方で、美味しい挽き方で、美味しい焙煎で、美味しい豆なのか。
グレードというものもあるが、最終的にはどれが「美味しいと感じるか」ということになる。

つまりは、好みの問題というわけだ。
好みが見つかると、コーヒーを飲むのも楽しくなってくる。

しかしながら生きていると、まあどうにも好みではないというものにも出くわしたりする。
到底受け入れがたい、苦み、エグみ、酸味を味わってしまうときだってある。
あまりの嫌悪に、吐き出してしまうかも知れない。
でも、コップに注がれたそれを、飲み干さなければいけないとして、どうすればいいだろう。


さて。
ここに、温めたミルクがある。

それを、直視しがたい好みではない味のそれに注ぐ。あなたが少しだけ飲んでくれたおかげで、ミルクの文のスペースは空いているからね。
そして、こうやって、スプーンを差し込んで、ゆっくりと回す。回す。

そうして飲んでみると、どうだい?
苦みは深みに、エグみはコクに、酸味は瑞々しく感じないかい?

これがカフェオレの魔法。
この作品があなたにかける魔法。

さあ冷めてしまわないうちに、一杯どうぞ。

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