氷に閉ざされた残酷な世界で、ヴェルヌ少年の冒険が始まる……。

ジュブナイルとはこんな物語のことを言うのだろう。
主人公はあのジュール・ヴェルヌ。ヴェルヌの小説のキャラクターが登場するパスティーシュではなく、フランスからアラスカに避難してきたジュール・ヴェルヌ本人。
ヴェルヌ作品へのリスペクトもさることながら、氷塞都市アラスカというエモすぎる舞台や、人間を襲うクリーチャーなどが登場するシリアスな世界観で、世界の果てを目指す旅に出る超王道アクション作品だ。
氷の世界が舞台というと、ヴェルヌ作品の中に『毛皮の国』という作品があるが、そのリスペクトなのかは定かではない……が、ともかく、ヴェルヌ好きなら読んでいて損はないだろう。

いや、むしろ読むべきだ。



「スチームパンク」ならぬ「フリーズパンク」の物語がどのような結末を迎えるのか、一介のSFファンとして楽しみである。

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