単位時間の魔術

おばちゃんによって押された【最終破壊兵器】。

それを止める緊急停止スイッチを押すまでの猶予は、なんとたったの【60秒】!!!

本作は、その60秒間の間の群像劇になります(一部、過去の話などもありますが)。
その間にいろんなことが起こります。本当に、いろんなことが……(笑)

たとえば走馬灯とか、時間感覚が異常に引き伸ばされる概念が存在しますが、これは最終兵器を押されたことによって発生した【世界の走馬灯】なのかもしれません。

ノンストップコメディでありながら、登場人物の考え方や造形にリアリティがある本作。でもやっぱりなんでもアリの本作。
そのえもいわれぬの感覚を成立させている要因のひとつでは、間違いなくこの時間感覚にあると思います。

リアリティを出して【60分】にしたらこの味は損なわれる。【60秒】だからこそいい。そっちの方が面白いと思う。

だが、自分がこのような話を思い付いたとして、制限時間を思い切って60秒にできるか、そもそも60秒の方が面白いということに至れるかどうか……と言われれば、正直自信がない。

すごいものを読んでしまった!

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