これもひとつの「取り残されたものの話」

人形というモチーフはいつだって悲しみを背負う。
演じ続ける宿命だったり
役割を失ったり
人を増しているのに人を逸脱した力を与えられたり…

しかし、そこもまた人形。
人を模した故に人の悲しさをも吸い込んでしまう。
風化、忍び寄る死。
長い時を永い永い時を生きてもなお、すり減らない感情という人外感と身近に迫る、そして脳裏にチラつく「死」

人形は人を取り残すだけではない。
終わりを選べるようになったその時から人形同士も、取り残されたものの話が生まれる。

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