毒と狂気、なにより無惨に打ち捨てられた善性にこそ痛み深き物語

うそ寒くなるリアリティを落とし込んだ、毒と狂気の短編。

誰もが見ようとしなくても、悪気がなくても、いつだって当然のように割を食わされる人はいる。毒と共にそれを突きつけられて、でも当人は求められたことを結局はこなしてしまっていた。
捨てられない善性こそに、胸が痛くなるお話です。
無惨で空虚な希望はここに。決して綺麗な物語ではありません。
だからこそ、考えさせられます。

読了後喉を焼きながら抜ける苦さをぜひご賞味あれ。

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