妖しく濃厚に絡みつく喉越しながらも、静謐な感覚が臓腑を一撫でする短篇

妖美なる幻想に誘う、珠玉の短編です。
描写力もさることながら、そこから表現される女性の抱える美しさと淫靡さに酔いしれます。

男性には正体に触れられない甘い毒というのもまた味わい深い……。

耽美で淫蕩。でもそのぬらりとした感触の奥に、一つ蜻蛉玉のような親しみのある清涼を湛える、陽光の下にある艶譚です。
ぜひご賞味あれ。

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