蛇か少女、どちらも女の本体である

暑い夏の日。
年下の少年に秘密を見せようとする少女・藤香。
ほんの短い時間だけれど、思春期の二人に流れる時間は濃密で緊張を伴うもので……。

状況や肌の描写などがとても丁寧で、気温や汗ばむ湿気すら感じらるほどの秀逸な文章。
主人公とともに思わず息を飲んで藤香の動きを注視してしまう自分がいました。

「女は蛇を飼っている」というタイトルの意味は深遠で、実際、大学生となった主人公の胸の中で生き続ける、まるで呪いのような言葉。
女性という存在がこれほど的確に表現されているのに驚きです。
お見事でした!

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