蛇見た

つまるところ、僕らはその蛇見たさに女性に近づいているのだと。
そんな気付きを与える作品である。
思慮の浅い男にとっては、直接的に性的な部分でもって満足し、頭に蛇の存在が去来することはないだろう。まるでジャンクフードだ。
思慮深い男は性的なものの奥にそれがあるのに気付く。それを見たい欲に駆られる。
段階を問わず、男はそうやって虜になる。

それが蛇のかたちをとるのは、まあそれなりに散見するけれども。

ここにきて秀逸にそれを籠めたものに出逢えるとは、なかなかどうして感慨深い。

年代を越えて、何回も読み返したい。

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