遠い夏の日の淫靡な熱を帯びた憧憬が蛇の毒となって人生を麻痺させ続ける

繊細かつ淫靡にまとめられた幻想譚でした。丁寧に紡がれた言葉が物語の耽美な空間を作り出し、懐かしく甘いうずきを彷彿させます。目の前に情景が浮かんでくるような言葉選びが巧みで素敵です。
視覚による描写を主体になっていますが、温度(体温、気温)や触感(汗など)、匂いは体験をよりリアルかつ生々しく演出できるので取り入れてもよいかもしれません。ささいなことですが、「神は細部に宿る」と言いますので。
欲を言うなら女と蛇の組み合わせはありがちなので、もっと意表を突くようなものでもよかったかもしれません。意表を突くような話でもないんですが。

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