彼はまだ勇者を辞めていない

薬に溺れ、自分にすがる少女に対して怨み辛みを吐き捨てる。今や勇者は見る影もなく、蔑まれるべき存在です。
しかし彼は愛する人を失い、人々の思い出の中に残らなくなっても、その強大な力を自らのためには振るわず、独りでトリップすることで慰めています。
結局のところ彼は、人を、国を、世界を狂っていると貶めながらもそんな世界を守り続ける「勇者」であり続けているのです。
歪ではあれど、これも一つの勇者の形なんだな、と感じた作品でした。

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