他人事の物語

物語のタイトル、起きる展開、主人公の立ち位置と境遇。
その全てはまさに『他人事』であり、本来なら物語として焦点の合わせられない背景です。そんな他人事の部分のみを切り抜いた物語だからこそ、描かれた人の心の生々しさや誰もに起こり得る普遍さが独特の印象をもたらす作品に仕上がっています。

ひたすらに他人事であり傍観者の物語。もしも絵画になぞらえるのなら、これは額に収められた"vanitas"を観る人を描いた作品なのかも知れません。

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