まだまだ学校には不思議が生息している。

前作にあたる「放課後対話篇1~3」も見事な出来映えですが、この「放課後対話篇4」において、私が強く思ったことは、

「学校って、こんなに面白い場所だったっけ?」

という点です。
別に懐疑と共に、こう思ったわけではなく、その時の感情は懐かしさと、少しばかりの後悔。

もちろん、学生生活において良い感情だけが想起されることはないでしょう。
ですが、その苦い感情さえも、懐かしさを感じてしまう。

そう思えるほどに、その類い希な筆致で描き出される学校生活のなんと瑞々しいことか。

それと同時に恐るべきは、4まで同じ舞台でありながら、むやみやたらに舞台を広げるのでは無く、ここに居たって、ますます身近な舞台でさらに謎を創造する、その力量。

もちろん、貫かれてきたテーマへの考察もさらに深く。

今まで読んでこられた方も、新しくこの物語を知った方も。

是非とも読んでいただきたい。

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