終わらぬ夢と呪いの先で、真に恐ろしきものと会う。少年少女の青春ホラー!

 いつから見ているかは分からないけれど、ずっと見ているとは分かる。そんな奇妙な夢を見ている高校生の桃田は、二学期を迎えた。クラスメイトとの他愛無い遣り取りの中、ふと不自然な何かが彼を襲う。

 それはまるで、何かを隠すような耳鳴りや、正確さを欠いて行く自身の記憶。

 得体の知れない違和感を覚えながらも、その原因を掴めない。

 始まったばかりの学校生活を過ごしていると、クラスメイトの雉島や鬼ノ城も、彼と同じ夢を見ているのではないかという疑惑が上がった。その真偽を確かめる為に三人は、夢に現れる商店街を舞台にある調査に出る。

 もしも本当に三人が、同じ夢を見ているのなら? ならその理由は? 夢の中に現れる、商店街の正体とは一体何?

 未知への好奇心に読者諸共吸い込まれていく三人ですが……。そこで味わうのは、胸躍る冒険などではありませんでした。

 立ち止まって考えてみれば、ある特定の人間だけが共有して見ている夢があるとは、空恐ろしいものです。

 何故彼らだけが? 原因は? 勿論それを解き明かそうと桃田達は奔走し始めますが、身に覚えの無い記憶や、呪いまでが立ちはだかります。それらを掻き分け答えを求める桃田達の行く末は……。是非、読んで確かめてみて下さい。きっとあなたも彼らのように、夢と現の間に落っこちる事間違い無し。

 真に恐ろしきものは何なのか。不穏と爽やかさが同居する、予測不能な青春ホラー!

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