歪められた日常、歪められた幸せ

おれたちは同じ夢を見ているらしい。

それを起点に走り始める物語。ならば夢の中で集合してみようか、という話になるのですが、暗く薄気味悪い夢の世界を知れば知るほど、謎はどんどん深まっていきます。いったいこの世界はなんなのか。

ふうむ、どうやらこれは桃太郎。
桃田を主人公に、猿、犬、雉を引き連れて、鬼を退治しなければいけない物語。
だけどちょっと待て、何かがおかしい。何かが歪められている、それは夢の世界だけではなく……。
ゆえに決して元の物語通りに終わらないこの話。結末は是非ご自身の目で確かめてみてください。

会話シーンの進みがとても自然で、すらすらと読み進められる一方、ところどころに挟まれる比喩もすごく綺麗に飾られていて、様々な面で楽しめる一作です。
オススメです。

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