一生この続きを読みたくない気持ち、わかりますか?

 まず、きれいな★777を崩してしまってごめんなさい。私がレビューすることでこの並びのいい数から★780になってしまったのですけど、第26話あたりを読んでからなんというか呆然としてしまい、続きを読むことでこの物語の中から出ていきたくないという感傷を引きずったままどこにも行けないので、言葉にさせてください。
『読み終わった後もずっとこの物語の中にいたいと思った』というのは恋愛小説のベストセラーである『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』のオビの文章なんですが、まさにそれです。どころか、続きを読んで終わらせたくない。似たような経験なんてまるでしたことがないのに、強烈に共感して世界に没入してしまう―――これって、ちょっとやばいことだと思う。きっかけはやはり『ちくっとした痛み』なんですよね。人生は一度きりで、"失敗"は未来の糧にはなるけれど取り戻すことはできない。加えて、あの時ああしなかったら今頃は……っていう想像力もあいまって、作中で受け取った痛みはずっと、小さな棘として胸の奥に刺さったまま残り続けて、フィクションの中の出来事にもかかわらず、まるで実体験のように共感してしまう。これを書いている今、まだ身体の奥がしびれています。"痛み"を表現するのがとってもうまい。おかげで忘れられない物語になりました(まだ半分程しか読んでいないのに……笑)。書籍買います。続きは……数日経って気持ちを落ち着かせてから読みます。だって書籍があれば何回も読めるし。そうなりゃ物語はもう私のもの。最後に、失礼ながら身も蓋もない感想を。此見えこやべえ。小さな痛みをありがとうございました。

推します。

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