2 山と神隠し side A

エンジン、温まってまいりました。


序 静謐(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555059325784)より

 ・ドライフラワーとプリザーブドフラワー

  一応どちらもドライフラワーという大枠内とは

  される。

  ドライフラワーが単に乾燥させたものであるのに

  対し、プリザーブドフラワーは乾燥後にグリセリン

  などの保湿成分や色素の含まれる液体に漬ける

  ことで、より生花に近い質感を持たせる。



3 柘榴ざくろとご飯(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555072824950)より

 ・柘榴ざくろ

  後述のギリシャ神話のコレー誘拐事件に

  おける一大争点。

  一つの果実の中に小さな袋状の種衣しゅい

  と呼ばれる可食部が数多くあるところから、

  多産、豊穣の象徴として扱われる。

  なお、集団の中の唯一の女性を指す

  紅一点とはこの柘榴ざくろ

  花のことである。



5 福をもてなす(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555124783409)より

 ・来訪神行事

  特にナマハゲが有名な、年一でおとなう概念の神。

  年神信仰とも近いんじゃないかな?

  ユネスコ無形文化遺産に登録されたのが記憶に

  新しい。『来訪神事典』(著:平辰彦 新紀元社)が

  日本以外も含め詳しい。というか参考資料。


 ・蘇民将来そみんしょうらい子孫也しそんなり

  『備後国風土記びんごのくにふどき』の逸文いつぶんに見える話。

  牛頭天王=武塔神=スサノオが南海の竜王のもとに

  嫁取りに行った帰りに一晩の宿を貸してもてなして

  くれた貧しい蘇民将来そみんしょうらい疫病除えきびょうよけとして

  この言葉を門前にかかげるようにと告げた。

  祇園祭ぎおんまつり茅巻ちまきはこれに由来する縁起物であり、

  全国各地に同様の文言を書いたお守りが残る。



6 光陰は百代はくたい過客かかくなり(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555144287300)より

 ・光陰は百代はくたい過客かかくなり

  「光陰者百代之過客」

  李白りはくの『春夜宴桃李園序』の一節。

  松尾芭蕉まつおばしょうの『おくのほそ道』の

  「月日は百代はくたい過客かかくにして」の元ネタ。


 ・オシアン

  オシーンとも。Oisín。

  ケルト神話におけるフィアナ騎士団団長

  フィン・マックールの息子にして、

  フィアナ騎士団の物語を記した詩の作者とも。

  ティル・ナ・ノーグの絡む神話として有名。


 ・あやまち仙家せんかりて半日はんじつの客とるといえども、おそらく旧里きゅうりに帰れば、わずか七世しちせいの孫にはん

  『和漢朗詠集』収録。大江朝綱おおえのあさつな

  『二条院宴落花乱舞衣序』の一節。

  間違って仙境の家に入って半日だけの客となったと

  しても、現世に帰れば七代後の子孫に会うだろう、

  の意。つまり浦島太郎状態。


 ・備中国びっちゅうのくに良藤よしふじ

  『今昔物語集』巻十六 本朝の第十二

  「備中國びっちゅうのくに賀陽かや良藤よしふじ、狐の夫とりて観音の助けを

   得ること

  備中国びっちゅうのくに賀陽かやという所に

  好色な男で良藤よしふじという者がいた。

  この者が妻の留守中に行方不明になったので、

  探し回ったが見つからず、十一面観音像をこしらえて

  とむらっていると、十三日目に蔵の下から

  泥だらけでまっくろの状態で出てきた。

  良藤よしふじは、「とんでもない美人と

  ねんごろになって、今年十三になる男の子までもうけて

  すごい屋敷でその間過ごしていた。

  その屋敷からは謎の僧(観音像の化身)によって

  追い出されたが、美人との間の子に家督は譲りたい」

  などと抜かす。

  良藤よしふじが出てきた蔵の下を見てみると、

  沢山の狐がいて、あっという間に逃げてしまった。

  これは良藤よしふじは狐に化かされたのだ、ということで

  おはらいやらなんやらをしていると

  良藤よしふじの様子も元に戻った、という話。

  行方不明だった十三日間は良藤よしふじにとっては

  十三年間だった。



7 ハーバリウムとキュリオケース(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555147796476)より

 ・キュリオケース

  コレクションボードとも。

  少なくとも前面はガラス張りの棚。

  ものによっては内側の奥の面が鏡張りだったり

  左右もガラス張りだったりする。

  骨董品等を見えるように陳列するための家具。

  最近はオタク的祭壇用に使用してる人も多いかも

  しれない。



8 霊脩れいしゅうとどたんとして帰るを忘れしめん(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555161920826)より

 ・霊脩れいしゅうとどたんとして帰るを忘れしめん

  『楚辞そじ九歌きゅうか山鬼さんきの一節。


 ・ようとして、冥冥めいめいたりて、ああひるくらく、東風とうふうひょうとして、神霊しんれいあめふら

  『楚辞そじ九歌きゅうか山鬼さんきの一節。

  これの後にタイトルのが来る。

   杳冥冥兮羌晝晦

    ようとして、冥冥めいめいたりてああひるくら

   東風飄兮神霊雨

    東風とうふうひょうとして、神霊しんれいあめふら

   留霊脩兮憺忘帰

    霊脩れいしゅうとどたんとして帰るを忘れしめん

  「茂み深くに光はささずに昼とてなお暗く

   東風は急に舞い上がり、神霊は雨をふらす

   霊脩れいしゅう(立派な人物のこと)をここに留めて、

   その安らかさに帰ることを忘れさせましょう」

  ぐらいの感じ。


 ・山鬼さんき

  この場合は「山の神ないし精霊」ぐらいの意味合い。

  『楚辞そじ九歌きゅうか山鬼さんきでは

  意中の人を留めようとする女の歌になっている。



9 醜い比べ(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555217591482)より

 ・山の神とオコゼ

  オコゼの別名にはヤマノカミがあり、山の神と

  オコゼの関係は昔話ともなっている。

  ここでは山の神のこととして話しているが、山の神の

  娘がみにくくて……というパターンも。

  また、山でオコゼの顔の不細工さを笑い飛ばす祭り

  (山の神講 三重県尾鷲市)がある。



10 猛犬注意(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555221175123)より

 ・かみなり填填てんてんとして、雨冥冥めいめいたり

  やっぱり『楚辞そじ九歌きゅうか山鬼さんきの一節

   雷填填兮雨冥冥

    かみなり填填てんてんとして、雨冥冥めいめいたり

  「雷は鳴り響き、雨は暗く降る」みたいな。


 ・逆光源氏

  光源氏は父のもとに身を寄せようとしていた紫の上を

  さらって手元で養育する(そして後最愛の妻とする)

  のになぞらえて、男女逆転してるので「逆」を

  つけてる。

  なお、父親は探して見つけたけど、光源氏との身分差

  を考えて泣き寝入る。



11 犯されざる禁忌(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555261840731)より

 ・こごったあぶらごとく〜

  『詩経』衛風の碩人せきじんの一節、

  「手如柔荑手は柔荑の如く 膚如凝脂膚は凝脂の如し」が元ネタ。

  ……誰が気付くんだろうね、気づかないよね、ふふ。


 ・桃や梅の匂い

  青梅や若い桃や杏等、バラ科の未成熟な果実や種には

  シアン化合物が含まれているので、これらを

  摂取した場合、消化時にシアン化水素(いわゆる

  青酸)が発生し、量次第で死に至る中毒も起こす。

  青酸カリが生のアーモンドの果実のにおいというのも

  これと同じ(アーモンドもバラ科)



13 もう山へは行かない(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139555327378482)より

 ・もう山へは行かない

  誰が「もう森へなんか行かない」

  (フレンチポップス)のもじりのつもりだとわかると

  思ってるんだ、私は。


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