7 ハーバリウムとキュリオケース
そこで口の中のチューイングキャンディを転がしながら、
「こうして話してて大丈夫なのか?」
「まあ、ボクらが入って
「ただ、それは最終手段ですからね……先生が出ると、どうにも
若干不安げな表情で二人は視線を
「というわけで、最後の点だ。タケル、君、何を考えた?」
その眼鏡のレンズ越しに投げかけられる鋭く青い視線は、どうにも何かを見透かされるようで少し怖い。
「えっと、その」
それに、まるで自分がハーバリウムの中に入れられたみたい、だなんて、まるで臆病者みたいで、格好が悪い。
「……さっきから、どうにも止まってるんだよね」
「変質の話ですか?」
ん、と言葉少なにロビンが
「もともと静かではあったけど、ボクがヒロをひっぱりこんだ時は、まだ動きがあった。それが今はまったくない。不自然なぐらい、
そうして確かめるようにシートから立ち上がると、一つ
「あと、動くのに対して重いし、視界の具合がやたらきらきらする気がするし、これは、うん……目だな、目だ」
真っ直ぐに
その言葉に
だって、それはまるで――
「想像した通り、だった?」
ひゅっと息を
思考を読まれた、と思った。
「言っとくけど、ボクにとってタケルが分かりやすいだけだからね?」
それすら読み切ったロビンの言葉に、
「あ、
すぐに察した
「だ、だいじょぶ……」
「言っときますけど、アレは規格外なだけなので」
「……ちょっとヒロ、アレって言った? アレって言った?」
アレ呼ばわりが相当に
「じゃあ、人間嘘発見器って呼ばれたいですか?」
「その自覚はあるから、ヤメテ!」
それなら当然バレるもやむなしである、と。
「……ハーバリウム」
だから、別に臆病者と思われそうとかなんとか、その
「かーちゃんが作ってるハーバリウムみたいだって、思ったんだ」
最初から正直に言っとけばよかったのだ、と。
そうも思ったのである。
「ははあ、そういうこと……うーん、子供の発想力って恐ろしい」
実際、ロビンはそれを聞いて、
一方、
「はーば……?」
だって、ハーバリウムという言葉を初めて聞いた時の自分と同じ反応だったから。
「
「うう、興味なくて……すみません」
ぐっと
「まあ、観賞用
空と目を合わせるように、ロビンはその空と同じ色の目で、再び空を振り
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます