物語の展開で人をゾッとさせるのは容易だが、純粋に文章表現だけで同じ感情を与えるのは、かなり難しいことではないだろうか。 この作品は、それを成し遂げている怪作だと私は感じた。
【「ノベリズム」にて契約作品連載中。河出書房新社「5分シリーズ」に短編1作品収録】 学生時代にはウイルスの研究で博士号をとり、研究者として働いていた時期も…
そこかしこに潜んでいる虫の気配。生温かい獣の息づかい。闇の底からなにかが這い上がってくるような不気味な空気。 美しく生々しい圧倒的な筆致に五感が刺激されて、問答無用で物語のなかに引きずりこまれ…続きを読む
美しい描写の数々が、私たちを蟲の宿へと誘います。大小様々な虫や動物。沢山の命に囲まれて、沢山の死骸に囲まれて、私は生きる。虫が苦手な私は、つい情景を想像して粟立たせながら読みました。吸…続きを読む
入り込みました。 主人公の視覚にいつしか同調して、物語りの気配感の中に気が付けば浸っていました。
一つの生命を絶つ。その行為が何を引き起こすのか。オオムラサキが運ぶ、若き日と夏の恐怖の夜をどうぞご堪能あれ。
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