祭囃子に掻き消された、夏の夜

お祭りの日、約束を破った父と喧嘩して自室に閉じこもったあかり。
のちほど家に忘れ物を取りに帰ってきた様子の父からドア越しに声をかけられるも、腹の虫が収まらないあかりはそれを無視してしまいます。
去っていった父を確認して自室に鍵をかけまた引きこもったあかりでしたが、ほどなくしてまた父が家に戻ってきた模様。
…しかし、なんだかその様子がおかしい…?

読み終わってすぐに自宅の鍵の確認をしたくなりましたし、家の外の夏の空気が寧ろそら寒く感じました…
現実に起こりうる怖さ、そしてすれ違いの悲しさ。
お祭りの賑やかで楽しげで華やかな描写が光れば光るほど、じんわりとした陰を残します。

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