舞台は女たちがそれぞれ頭に花を咲かせている世界の後宮。
周りの女官たちがみな朝顔や紫陽花など艶やかな美しい花を咲かせている中、主人公の草苺の花は地味な蛇苺。
しかも花より実が多い変わり者な草苺は雑草むしりの仕事しかもらえず、頭の蛇苺よろしく「雑草娘々」と陰口を叩かれる日々。
女たちの命である花を整えることを生業とする「花結師」に憧れながら、独学でその真似事をしていた草苺。
そんな彼女はふとしたことから花結い絡みの事件に巻き込まれていきます。
目付きは悪いけど不器用ながらいい男の角星、そしてモフモフにゃんこたちと後宮に渦巻く闇へ突撃していくことに。
のんびりしてるかと思いきゃ意志が強く雑草魂に溢れた草苺は、見ていて応援したくなること請け合い!
もうすぐ発売となる書籍版が今から楽しみです!
後宮を舞台とした中華ファンタジー。
最も惹かれるのは、女性たちの頭に咲き誇る美しい花。癒花と呼ばれるこの花は、女の命であり、物語に大きく関わっています。そして、その花を結う仕事が「花結師」。ユニークな設定に、とても興味をそそられました。
朝顔や紫陽花や薔薇など美しい花々が登場する中で、主人公である草苺の頭に咲くのは、なんと蛇苺。赤い実がなる雑草です。彼女は他の女官から、陰口を言われつつ、草むしりの仕事ばかり。
そんな下級身分の彼女ですが、喜怒哀楽の表情豊かで、とても可愛らしいです。困っている人を放っておけない優しさもあり、ここぞという時に見せる強さもあり。読んでいて、応援したくなる魅力が詰まっていました。
コンテスト受賞作ということもあり、続編、そして書籍化を心待ちにしております!