女性たちの頭に咲くのは花。ユニークに彩られた中華ファンタジー。

後宮を舞台とした中華ファンタジー。
最も惹かれるのは、女性たちの頭に咲き誇る美しい花。癒花と呼ばれるこの花は、女の命であり、物語に大きく関わっています。そして、その花を結う仕事が「花結師」。ユニークな設定に、とても興味をそそられました。

朝顔や紫陽花や薔薇など美しい花々が登場する中で、主人公である草苺の頭に咲くのは、なんと蛇苺。赤い実がなる雑草です。彼女は他の女官から、陰口を言われつつ、草むしりの仕事ばかり。
そんな下級身分の彼女ですが、喜怒哀楽の表情豊かで、とても可愛らしいです。困っている人を放っておけない優しさもあり、ここぞという時に見せる強さもあり。読んでいて、応援したくなる魅力が詰まっていました。

コンテスト受賞作ということもあり、続編、そして書籍化を心待ちにしております!

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