異世界に転生し貴族の家の長男に生まれた主人公。しかしちょうどそのタイミングで父親が領地を没収され、家族一同開拓地に飛ばされることに。おかげで両親の仲も最悪で家では常に怒号と金切り声が飛び交う険悪なムード。主人公も生後半年でネグレクト状態。これだけでも最悪なのに、さらに巨大な熊が家族の住む小屋を襲い両親は殺され、主人公も半死半生に!
こんな超ハードモードな展開が冒頭の1話に詰め込まれているのだから、もうたまらない。さらにここから主人公は生き残るために、父親や近隣住民の死体を肉のゴーレム(生命維持装置付き)に再構成するというとんでもない外法に手を出してしまう。この肉のゴーレムの設定が細かく作りこまれて実に面白い。
かくして吹雪舞い血肉飛ぶ冬の山中で演じられる、巨大魔獣熊vs赤ん坊in醜悪肉塊! この極限状態での戦いが非常に熱いのだ!
中盤からはオーソドックスな転生ものの展開をなぞるようになっていたり、終盤は駆け足気味になってしまっているのがやや惜しいが、序盤の壮絶な死闘だけでも一読の価値ありだ!
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)
どう考えても悪役側の力なんですがそれはというとんでもない能力を駆使して、雪山のサバイバルを生き残った主人公。
サバイバルの次は王族のあれこれに巻き込まれたり神様のあれこれに巻き込まれたり……次々襲いくる問題も、(悪)知恵を巡らして生き残っていく姿がすごい。格好いい。
ガキを殺そうとする奴は許さない、と怒りの理由がどこまでも真っ当でめちゃくちゃ好感度高いです。こういう理由でキレて動ける主人公、個人的にとても魅力的…!
もう完結⁈もっと読みたい!とジタバタしておりますが、この終わり方ものすごく好きです…
完結おめでとうございます!
ほんとめちゃくちゃ面白いので、是非にご一読を!