鍵はちゃんとかけた? 本当に?

 父親に反抗する娘が、前半の主人公だ。家には父親と主人公が二人だけで住んでいた。夏祭りの夜に、約束を破った父に対して主人公は反抗し、自室に籠る。自室に鍵をかけて、父が何かを探す音だけを聞いていた。父は祭りの運営にも携わっていた。主人公にとっては、自分より他人に押し付けられた役割をこなそうとしている父が、さらに苛立たせる要因だった。
 探し物をしていた父が、二階に上がってくる。そして、主人公の部屋の前にやってきた。今度は声もかけなかった。その代わり、主人公の部屋のドアノブを、暴力的にガチャガチャと回そうとしている。しばらくしてその音は止んだ。
 主人公は父に反抗するよりも、話し合おうと鍵を開ける。
 しかし、そこには影が――。
 後半は父親の視点で語られるが、最後には恐ろしい現実が待っている。
 
 あなたは、鍵をちゃんとかけましたか? 本当に?
 ―—確認、しておいたほうがいいですよ。

 是非、御一読ください。

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