求めるものはひとつ

 用事の合間に二十分ほど時間を潰すためコーヒーショップに入る。以前から知っていた店だが利用するのは初めてだ。


 八月中旬の蒸した外気は歩くだけで圧迫感を与えてくる。そこへやや低めに設定されているであろう店内の冷房を浴びれば、誰もが砂漠のオアシスだと思うはず。


 オーダーはもちろんアイスドリンク。

 朝も大分早い時間、脳にカフェインを与えておきたいが……糖分が欲しい。

 まず思い浮かんだココアは残念ながらホットのみ。ジュースや紅茶よりもさっぱりした飲み物は……。


 アイスカフェオレを注文。のど越しに満足感が湧く。やはり要求のすべてを兼ね備えたバランスの良いドリンクだった。


 注文カウンターを眺めていると、アイスカフェオレを頼む客が多い。考えることはみな一緒らしい。

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